僕の子供のころは、ゲガをしたら「赤チンキ」という消毒液を塗って済ますことが多く、大体はこれでケガはいつのまにか治っていました。
その後、「赤チンキ」は理由があって姿を消し、代わりにヨード液が登場しました。現在でも外傷の患者さんにこの「ヨード液」は使用しているのですが、最近傷の治し方がまた見直されてきています。
まず消毒薬も大切なのですが、消毒は健康な細胞まで傷害するので過度な使用は控えるべきという見方がでてきました。
次に、汚い傷は従来特別な滅菌水で洗っていましたが、水道水で十分だという意見もあります。
最後に、傷は濡らさぬように心がけていましたが、場合によっては湿った状態の方が早く治るという研究結果もあります。
これらの考えは、従来行ってきたやり方と随分違うので抵抗がありますが、実際に効果があるのなら僕ら医師も傷の治し方について考えを改めることが必要なのかもしれません。
しかしながら、ケガといっても色々で、治療法も状況に応じて変わるので、かかりつけの先生に相談されたほうが良いと思います。
プライマリケア