胆石症の発見の歴史は古く、エジプトのミイラにも胆石が見られたといわれています。 日本の歴史でも徳川家康は天ぷらを食べて腹痛で苦しみ、これが元で死亡しました。 この症状も胆石発作が強く疑われます。
胆石症の治療は、胆石を溶かす薬や、体外から衝撃波を与え胆石を壊す方法、開腹手術などありますが、現在では「腹腔鏡下胆嚢摘出術」という小さな傷で胆嚢を摘出する手術が標準的治療になりました。
この手術が紹介されたのは15年位前で、私を含め多くの外科医は「手術は大きな傷で良好な視野の下で安全第一にするもの」と考えるものが多く、当初はこの腹腔鏡下の手術を冷ややかな目で見ていました。
しかし、患者さんの手術後の回復が早く美容的にも優れており、徐々に腹腔鏡下の手術が標準的な治療として確立されるに至りました。
20年位前は「高齢者になって胆石の手術をするのは危険なので、症状が無くても若いうちに手術した方が良い」という考えもありましたが、現在では「症状の無い胆石は様子観察」との考えが主流です。
しかし、胆石も他の病変を合併することもありますので、無症状でもエコー検査など定期的に診察してもらうことが必要です。
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